「いつも言っているだろう? 油断するな、他人に気を許すな、と。今はまだ子供だから俺が守ってやっているけど、いつかは自分の身を自分で守れるようにならなければならない」
「でも集落の長を手に掛けようなんて誰もしないよ」
「長だから狙われるんだ。みんながみんな、自分の味方だと思うな。俺だってお前の力に怯えていつお前を手に掛けようとするか分からない。だから誰も信用するな」
幼少期から何度も言われた言葉。
誰も信用するな。
彼女の体に何よりも染みついている。
「鬼は希少な存在だ。人間に捕まれば見世物にされるか、力を利用しようと戦争に勝つための道具にされるだろう。その時は迷わず命を絶て。それが何よりもお前のためだ」

