狂おしい赤と鈴の音に酔いしれてー前編ー




焦る永倉を余所に土方は羽織を羽織って刀を腰に差す。



「手分けして屯所の外を探すぞ。いくらあいつが鬼で人間より頑丈だったとしてもまた体力も回復しきってない今の状態じゃそこまで遠くへはいけないだろう」



普段通りに指示を出すと、足早に部屋から出る。



「ったく、面倒を掛けやがる奴だ」



誰に言うでもなく呟いたその言葉には少なからず焦りが含まれていた。



屯所の周りを中心に十六夜の姿を探した。



しかし十六夜の姿はなかった。