「感じてないって言えば嘘になる。俺が連れて来たんだし。でもそれだけじゃなくて、起きた時に傍にいなきゃあいつが消えちまいそうな気がしてさ」



閉まり切った障子を見つめながら、その部屋で眠っている十六夜のことを思って呟く。



「それは分かる気がするが、ほどほどにしておけよ」



土方はそれだけ言うと立ち上がる。



「分かってるよ」



そう言いながらも十六夜から目を離さない永倉を見て、土方は苦笑いを浮かべた。



しかしそれ以上は何も言わず、自室へと戻って行った。