狂おしい赤と鈴の音に酔いしれてー前編ー




暴れる十六夜の力は異常なほどに強く、三人がかりでも大変な程だった。



「この子のことどうするんですか?」



沖田が刀を収めて土方に問いかける。



土方も刀を鞘に戻して、十六夜を見た。



完全に正気を失っている十六夜は永倉たちの呼びかけにも答えない。



ずっと九十九を睨みつけていた。



「十六夜は縛り上げて蔵に入れておけ。生き残った奴らは治療して後で事情を聴く。処分はそれからだ」



土方がそう言った直後、原田が十六夜の背中の傷を確認して声を上げる。



「何だ、これ!」



驚いたようなその声を聞いて土方が近付く。



その時、足元に落ちていた刀を握った九十九が土方に迫った。