「あとは、伝えるか伝えないか貴方が決めてください」


「わかり……ました……」



ガラッと部屋のドアが開いた。
やばい、聞いてたのバレちゃう。



「桜依聞いちゃった?」



目が真っ赤なお母さんが私に訪ねてきた。



「うん、けど最後だけ」


「そっか、よく聞いて。桜依はもう命が残り少ないの」


「えっ、何を言ってるの?お母さん」


どうゆうこと……?
余命が少ない………。
せめて、10年とかあるよね?


「余命が残り1年弱」


「1年弱……?何で私が……」




1年弱とか、意地悪だよ。
今日久しぶりに話せて喜んでいたのに。



「桜依落ち着いて、たくさんいい思い出を作りましょう?」



たくさんいい思い出を。か、私は好きな人も友達もいない。一度だけでいいから、好きな人と遊園地とか行ってみたいな。