クリアな視界に映る透き通る様な白い肌に目が眩む。

絹に触れるように、傷つけず、汚さぬようにそっと指先で触れれば余裕の無い息遣いが鼓膜から犯しにきて。

すでに危うい細糸を断ち切らんばかりの誘惑に、欲をひっそり逃す様に彼女には気づかれぬ静かなる息を吐きだしていく。

触れた反応だけで分かってしまう。

彼女の未熟で無垢な肌の記憶を。

この肌に熱情を持って触れた人間の不在を。

それを毎夜感じ取っては恍惚に染まり、触れる感触や彼女の早まる鼓動、高まる熱、下手くそな平然、そこから時折漏れる溜めこみすぎた熱の息遣い、それらに見事こちらの熱も煽られて、うっかりその一線を踏み越えてしまいそうになる。

でも、その一線を越えてしまえば俺の想いの価値は下がる。

それが唯一のストッパーであり、何よりも強い自分の抑制。

それでも体の内側で己を焼き尽くさん程の熱を未消火には出来ず、

「好きです」

その一言に出来得る限りの愛情を。

そして今宵も、彼女の身体に独占欲丸出しの枷を纏わせる。



彼女を求め触れていいのは俺だけなのだという、身に纏う愛情表現。