「次は…番号11番さん。面接室へどうぞ。」

「はっはいっ!」




あわてて立って、ガタンっと椅子の音がする。


「行ってらっしゃい。肩の力抜いて。」


今は島崎さんの優しい声がすごい安心するよ。




やるっきゃない!











「失礼します。」


「どうぞ、お座りください。」



「クラウンにはどのような印象を持っていますか?」


「はい。クラウンさんの他にもファッション雑誌はいくつか拝見しているのですが、そのなかでも読みやすさを感じます。」



うぅっ緊張してうまくしゃべれない!




「読みやすさとは具体的にどのような?」


「そうですね、例えばひとつのアイテムを取り上げるにしても、デザインや機能はもちろんですが高校生にしてみらさと、やはり値段はポイントになります。」



頑張って島崎さんと考えた作戦!

人と違うことを言う。



みんな、たぶんモデル目線のことを言うだろうって考えたんだ。

そしたら、何で勝負できるかって、私がばりばりの普通のJKってとこでしょ!




「クラウンさんの場合、プチプラではなく最安値を追求した企画を毎号しておられるため、実際に私も参考にして、お店に足をはこんだりしています。」




言い切った!




「そうですか。分かりました。」

「ではしばらく控え室の方でお待ち下さい。」



部屋を出て扉を閉めるまで、手の震えが止まんなかったよ…