───忙しかった一日は残り僅かで終わりに近付く。
普段は受付カウンターの終了と共に退勤するのだけれど、今日は会議室の片付けをしていないので30分だけ残業の許可を得た。
片付けと言っても、使用した会議室に置き去りにされたペットボトルなどを片付けるだけなので30分もあれば充分だ。
最近、役職会議が立て続けにある為、受付カウンターに座ってばかりはいられない。
会議室の片付けをしながら、明日明後日の事を考える。
昼間は忙しくて決断出来ず、まだ悩んでいる。
中身の入ったままのペットボトルを捨てる為に給湯室に居ると、すぐ横を誰かが通り過ぎた。
見慣れた姿だったので、身を乗り出してみるとやっぱりそうだったので思わず呼び止めてしまっていた。
「相良さんっ!」
「……社内では接近禁止と言ったはずですが…?」
呼び止めたら立ち止まってはくれたものの、振り向いてはくれない。
低く冷たい声だけが廊下に響く。
「それに扉は閉めて作業して下さい。社長室が奥にある事をお忘れなく…」
秘書室の隣にある給湯室で作業していた私は、手早く終わらせようとしてドアを閉めるのを忘れていた。
「すみません…」
相良さんに注意をされて我に返った私は給湯室の中に入り、ドアを閉める。
接近禁止なんだから声をかけてはいけない事ぐらいは頭の中では理解していても、社内で会えると子供の様に嬉しくて行動を起こしてしまう。
普段は受付カウンターの終了と共に退勤するのだけれど、今日は会議室の片付けをしていないので30分だけ残業の許可を得た。
片付けと言っても、使用した会議室に置き去りにされたペットボトルなどを片付けるだけなので30分もあれば充分だ。
最近、役職会議が立て続けにある為、受付カウンターに座ってばかりはいられない。
会議室の片付けをしながら、明日明後日の事を考える。
昼間は忙しくて決断出来ず、まだ悩んでいる。
中身の入ったままのペットボトルを捨てる為に給湯室に居ると、すぐ横を誰かが通り過ぎた。
見慣れた姿だったので、身を乗り出してみるとやっぱりそうだったので思わず呼び止めてしまっていた。
「相良さんっ!」
「……社内では接近禁止と言ったはずですが…?」
呼び止めたら立ち止まってはくれたものの、振り向いてはくれない。
低く冷たい声だけが廊下に響く。
「それに扉は閉めて作業して下さい。社長室が奥にある事をお忘れなく…」
秘書室の隣にある給湯室で作業していた私は、手早く終わらせようとしてドアを閉めるのを忘れていた。
「すみません…」
相良さんに注意をされて我に返った私は給湯室の中に入り、ドアを閉める。
接近禁止なんだから声をかけてはいけない事ぐらいは頭の中では理解していても、社内で会えると子供の様に嬉しくて行動を起こしてしまう。



