相変わらず、眼鏡は外したままで無表情。


先程、演奏した時に汗でワックスが流れたのか、普段はまとめられている前髪が落ちていて俯き加減の切れ長な瞳にかかる。


ホットケーキを口に頬張りながら思う、…やっぱりカッコイイな、相良さん。


今日は先日の様な失態を晒してはいけないと思い、カクテルは除外。


相良さんと同じカフェオレ、三段あるホットケーキの上に生クリームとチョコソース、アイスクリーム。


相良さんはチキンが混ぜられたサラダにピザトースト。


こないだから思っていたけれど、少食だ。


サラダばっかり食べているし、ベジタリアンかな?


「…遅くなっても平気?」


「は、はい。明日は休みだから大丈夫です」


私は相良さんの鑑賞に浸っていたが、突然の問いに我に返った。


遅くなる…という事は、大人の関係になっちゃうのでしょうか?


「…何で、そんなに真っ赤なの?暑い?」


「いや、えと…暑くはない、です」


「ふうん…」と言う相良さんは少し呆れている様な気がした。


もしかしたらお泊まりになってしまうかも?とか、相良さんの言葉で想像力を掻き立てられ、一人で赤面してしまった。


男子中高生かっ!…という様な突っ込みが入りそうな想像力に自己嫌悪。