あ、変装しなきゃ…。
やべ・・・すっかし忘れてた。
大変大変,とつぶやき足元にあるバックポ
ーチ手にする。
チャックを開けて茶色のカラーコンタクト
をとり目の中に入れる。
数回、瞬きをし肩より4、5センチくらい伸
びた髪を2つに分けゆるくしばる。
最後にメガネをかければ変装完了。
私が女優ってことは先生と雪達以外には隠
している。
そのため毎朝こうして変装しなくてはなら
ない。
いわゆる地味っ子ってやつ。
普段の私の性格からは考えられないけど、
これでも女優なのできちんと演じとおす。
あ、いくら地味っ子になったからって友達
が0なわけじゃないよ?
休み時間におしゃべりとかお弁当を一緒に
食べる子ちゃんといるんだから!
ドタドタっ
カチャッ
「なっちゃーん、お待たせ!」
階段を下りる音と共に開いたドアからヒョ
コッと雪が顔を出した。
私の顔を見た瞬間、しばらくじーっと動か
なくなってしまった。
「・・・また変装してるのー?別にしなくても
よくない?」

