僕と城矢君の平行線は。

「ただいまー。」

「あら、おかえりなさい!今日はいつもより遅いのね~。」

この人は僕の母さん。

明るくてどこか抜けてる天然な人。

「今日はちょっと寝てた。」

「おかえり~。」

この人は僕の父さん。

とても優しくて話上手。

お酒を片手に自分の武勇伝をよく語る。

他にお祖母ちゃんと兄が2人いる。

兄達は大学に通っているから、今は別居中だ。


学校ではあまり話さない僕だけど、家では違う。

人並みには話すと思う。


「先にお風呂入ってくる。」


ふぅー。

お風呂は良い。


今日はいつもより濃かった。

その証拠に窓から見た光景が忘れられない。

忘れようと思ったんだけどな。

眩しすぎるから遠ざけてきたんだ。

でも案外あっさり足を止め、見てしまった。

「…考えてもきりがないよね。」

早くご飯を食べよう。

それで明日はまた明日だよね。