僕と城矢君の平行線は。

「先生、具合が悪いので保健室に行ってきます。」

いつもこの理由で保健室に行く。

いちいち理由を考えるのがめんどくさいからね。

ざわっと一瞬、教室がざわめくが気にしない。

城矢君と目があった。

城矢君は何か言いたげな目でこちらを見てくる。

でも知ったことではない。



保健室の匂いは僕の精神安定剤。

とても落ち着く。

僕は指定席であるソファーに座る。

上を向き、肺いっぱいに空気を吸い込み吐き出す。

そして最近悩みの非日常を振り替える。

こうやって考えると全てに城矢翔が関わっているよね。

なんで僕なんかと。

本当…本当に

「…最近は変だ。」

「何が変なのー?」

奥の部屋から声がする。

佐藤先生いたんだ。

保健室なのだからいるに決まっているか。

「今、非日常を味わっているところです。」

「へぇ!どんなこと?」

「僕の静寂を壊す人がいるんです。」

「どんな人!気になるわ!」

質問が多すぎるから。

「言いませんよ。」

僕は軽く笑った。

言ったら何か言われるに決まってる。

「…!いいわ。後でじっくり聞くから。」

嬉しそうに笑いながら先生は言った。

何がそんなに嬉しいのか。