僕と城矢君の平行線は。

あのHR後、先生はハムスターの家を用意し、名前もつけた。

名前はハム太。

今はクラスのアイドルとしてみんなを夢中にしている。

「おはよ星南さん。」

「おはよ。」

ただの朝の挨拶。

だけど僕にとっては非日常のことだから、心臓に悪い。

よかった。

クラスのみんなはハム太に夢中で僕らのことは見ていない。

「ハムスター、可愛いね。」

「…!…うん、助けてよかったよ。」

「…君は本当に優しいんだね。」

「え?」

ボソッと呟いたから城矢君には上手く伝わらなかったみたい。

いや、伝わらなくてよかったんだ。

ただ僕が思っただけだから。

「翔!ハム太可愛いよ!」

城矢君は女子に腕を引っ張られ、ハム太の所へ行った。

ふぅ。

これでいつもの日常。