僕と城矢君の平行線は。


「どういたしまして。」

僕の頭を優しく撫でる城矢君。

それに見とれる僕は…城矢君に…



ピピピッ



「うわーっ!!」

なんて夢だ。

この前の再現じゃないか。

最後の展開は違うけど…。

あれから1週間ほど過ぎている。

「はぁ…溜め息しかでない。」


「真琴ー?大丈夫ー??」

1階から母さんの声が聞こえる。

「だ、だいじょうぶ!」

早く支度をしよう。


「珍しいわね、真琴が寝癖のまま食事だなんて。」

「さっきはどうかしたのかい?」

お祖母ちゃんが聞いてくる。

「ちょっと夢に驚いて…。大丈夫だよ!」

僕はそう言ってご飯を食べた。

しかし、その様子を2人は疑った目で見てきた。

「の、のしなの?」

これでも、『ど、どしたの』と言った。


注意、食べながら聞くのは行儀が悪いから真似しないようにね。


2人は更に目を細め見てくる。


「だってスカートの下、パジャマのままよ?」

「これじゃぁ、心配だわ。」


「ほ、ほんとだ。」


今日の僕は少し変だ。

歩いているとき電柱にぶつかりそうになるし、物は落としてしまうし。

このままでは、学校で何をするかわからない。

今日は落ち着いて行動しよう。