僕と城矢君の平行線は。

「着いてこないでください。」

「いや、同じクラスだから。」

「なら、一緒にこないでください。」

「そんなこと言わないでさ。」

僕は早歩きで撒こうとするも、少し後ろを歩いてくる城矢君。

どこか楽しそうなのは気のせいだ。

もう…どこまででも付いてくるだろうな。

僕は諦めた。

「はぁ。」

僕のため息を聞いて、諦めたことを知ったのだろう。

城矢君は横に並んだ。

ほんのり男性の香水の匂いがする。

気にしないように前だけを見る。

「星南さん、昨日サッカー部見てたでしょ?」

「見てない。」

即答で答えてやった。

「なーんだ。星南さんと目が合ったと思ったんだけどな。」

やっぱり合ってたのか。

僕もそう思ったよ。

嫌だから言わないだけで。

「あの、だからなんですか。」

考えいることが分からない。

何を知りたいの?

「星南さん、友達にならない?」

「ぇ…?」