僕と城矢君の平行線は。

おはようって言葉は、友達同士の大事なものだと思う。

もし、ここで無視をしたら一気に友達関係が崩れてしまう。

だから今日も玄関ではおはようが飛び交う。

僕にはこのおはようが偽りでしかない。

結局は自分を良く見せようとしてるだけだろう。

そんなことなら言わない方がましだ。

僕はそこをいつも通り素通りする。

誰も僕に気づかない。

挨拶の隙間を器用に抜け、

一刻も早くこの場から去りたい。


「おはよう。」


早くこの場から…早く早く…ん?

おはよう?


「聞いてる?星南さん。おはよう!」


「ぅわ…!」


あまりに近くにいるから、驚いてしまった。

だって横を見たらすぐそこにあいつがいたから…。

危険大の失礼な男子生徒、名前はえーと…


「だーかーら城矢翔。いい加減覚えてよ。」


困ったように失礼な男子生徒…城矢君は笑った。

あれ?

また声に出てた?