先代の私 でも、、、

「彩華」



甘い声音。



綾人が私の魅力を言ったのなら、私も言いたい。



「私と違う…艶のあるサラサラな綺麗な長い黒髪も、黒真珠みたいな輝きのある瞳も、

色白な肌も、細いのに引き締まった身体も、総長としての責任を持ってる所も、優しい所も。

……こうやって、ちゃんと言葉で伝えてくれる所も、抱き締めてくれる所も、

まだ知らない事の方が多いだろうが、綾人の方が魅力的だと…思うぞ」



「なっ/////」



耳まで真っ赤にして、顔を手で覆っている姿が可愛い。



そんな事を思いながら、綾人が私に面と向かって魅力的だと言ってくれたのだから。



私も、それ相応の言葉を。想いを伝えようと思い、ちゃんと綾人の目を見て言う。



「綾人。私は綾人の事、大好きだ」



そう私が言ってすぐ、私の視界は奪われた。



綾人に手で覆われたのだろう。



「あ、綾人?」



「彩華が悪いんですからね。僕だって、16になって間もない男なんですから」



私が悪い?



何かしたかと思っていると、次の瞬間私の唇に何かが触れた。



柔らかくて温かいそれは、感じた事の無い感触だ。



唇に何かが触れた事を理解してすぐ、口の中に柔らかいものが入って来た。



私の舌に纏わりつくように、だが優しく触れるそれ。



私はどうしてかそれを、甘いと感じた。



そしてようやく理解した。 



私の唇に触れたのは綾人の唇で、口の中に入って来たのは綾人の舌なんだと。



どうしようもなく、今までと比にならない程恥ずかしかった。



それと同時に嬉しく、息苦しさを感じた。