先代の私 でも、、、

耳まで真っ赤にしていたのが気になったが、早く服を着てと言われたのでタンスを開ける。



男物の着物を着ていつもの羽織を羽織り終えたと同時、

綾人がこちらを向いた。



「////」



カァッと顔を赤くさせた綾人。



「ん?」



「彩華、それ。誘ってるんですか」



誘ってる?



「何を」



「………無自覚って、質悪いですよ」



質悪いって酷いなと思いながら綾人の隣に座る。



「っ」



数秒もしない内に後ろから抱き締められた。



「彩華は自分の魅力を自覚した方が良いです」



「魅力?私に?」



「無い無い魅力なんて」と言うと、バサッと押し倒された。



「綾人?」



「綺麗な銀の長い髪もっ、左右の緋と金の瞳のオッドアイもっ、華奢な身体もっ、白い肌もっ、立ち姿も、

先代としてのカッコ良さ、憧れも、女としての美しさも、

汚い事なんて知らない様な無自覚さも鈍感さもっ、貴女は魅力的過ぎます」



カァッと顔が赤くなる。



好きな綾人に綺麗と言われた自分が。



1つ1つ上げられた自分の魅力らしい点が具体的で、

嬉しさと恥ずかしさが混ざって、見ていてくれたという感覚がむず痒い。



「ほら、そんな仕草が愛しい」



っ。



甘い声音でそう言われ、私は顔を横に向けて目を瞑った。



愛しいと言われただけで、恥ずかしさと嬉しさが混ざった感覚に襲われた。