先代の私 でも、、、

「フフフっあー、悪いけど彩華ちゃん、今日綾人を泊めてやってくれないかな?」



泊めてにビクッと反応した綾人。



「それは良いが」



「良かった。じゃ、またね」



綾人が私を抱き上げ車を下りると、裕人さんはバックして反転し、

早々に帰って行った。



門で指紋認証し、綾人と屋敷に入る。



そのまま家の中でも抱き上げられたままで、いい加減綾人の腕が心配になった。



「綾人、疲れただろ。もう良いぞ?」



「嫌です」



嫌ですって。

拗ねたみたいな声音も可愛いが、何故拗ねた?そして離さない?



「足はもう治ってるぞ?」



「………」



無視か。



そんなまま静かな屋敷内を歩き、綾人は私の部屋の前で止まった。



「綾人?」



「……離したくないです」



えぇ、何か可愛いな。



「だが疲れただろ?それに、振り袖なんて早く着替えたい」



「………」



障子の前で止まったままなので、私は障子を開けた。



「?」



「着替えるだけだ。すぐ済む」



「………」



無言のまま部屋に入り、やっと下ろされ解放された。



離されたことだし振り袖を脱ぎ出すと、

後ろでドンッと畳を叩く音がして振り向くと、綾人が倒れていた。



ん?倒れた?



「綾人?」



肌着だが、心配なので綾人に近付く。



「ちょっ、彩華っ///早く服を着て下さいっ////」