先代の私 でも、、、

「いやっ、ち「お見合いするだけで良いから、ね?」………」



笑顔が黒い。

威圧されてる。



「相手も乗り気じゃないみたいだけど、こっちだってそうだし、何より今はじっとしてるの嫌でしょ?」



………図星。

思い出したくない、あんな綾人の顔。6代目の顔。



だから身体を動かして忘れようとしてたも同然だ。



八つ当たりに近かった。



「ほら、お出で」



ここは静司兄の書斎。

向かい合わせのソファーの片側に座り、腕を広げている。



「っ」



安心してか、私は静司兄の腕の中に飛び込んだ。



人の暖かさや、静司兄の心音に安らぎを感じて少しした頃。



自分が相手の返り血を浴びていた事を思い出し、

すぐさま離れようとしたもののそれを許さんと抱き締められる。



「静夜に任せてたんだけどね。彩華がこんな顔してるからには、今は離せないよ」



「だが返り血が……」



少量とはいえ、血を見慣れてない静司兄には。



「良いよそんなの。それより今は、我慢しなくて良いんだよ?」



我慢っ。



「僕は彩華の兄なんだから。強がらなくて良いんだよ?」



「っ」