先代の私 でも、、、

移動して門を少し開けると、それはもう勢いよく開けようとしてきた。



「開けなさい!」



「いや、本人かどうか分からないので、取り敢えず落ち着」

「疑うって言うの!?さっさと開けなさい!命令よ!」



命令出されても……。



まぁでも、こんなにしつこく言うのだしなぁ。



んーでも、朱里がここに居ると知ってたりしたし、ダメ元でだが良いとするか。



「はぁ」



門を開けると私を追い越し、玄関を勢いよく開け、そのまま廊下を進んでいく。



後を追い掛けると、どうしてかすぐにリビングへと辿り着いたようだ。



襖を勢いよく開け、そのまま中へと入った。



……何だか、嫌な予感しかしない。



不安なままリビングへと入ると、予感は的中。



「朱里!さっさと家に帰ってきなさい!」



「嫌……来ない…で」



「何言ってるの!いくらイケメンが居て幸せだからって、家にも帰らず倉庫に入り浸って。

挙げ句誰のか知らないけど、幹部の家に上がり込むなんて!」



「嫌……」



怒鳴る姉らしき女と涙を流す朱里、そしてそれを守る様に庇う綾人…達。



私に気付いたらしく、朱里の肩を抱きながら綾人が怒鳴った。



心無しか、朱里も満更でもないようだ。



「彩華さんっ、貴女は最低です!何故この人を入れて、朱里の前に連れて来たのですか!」



っ。



「この人は、朱里を虐待していたのですよ?!」



っそんなの、知らなかったさ。