先代の私 でも、、、

朱里はというと、いつの間にか人数分のタオルを持ってきており、

全員に配ったり、綾人の汗を…拭いて…やったりとしていた。



………。

何故か唇を噛んで、頬には涙が伝う。



悔しい気持ちだったり、悲しみだったりが渦巻いてるようだ。



厨房に着き、手を洗ってから昼食を用意した。



そのままワゴンに乗せてリビングへと行くと、既に揃っていた。



「あっ、彩」

「お姉ちゃん!」



綾人を遮るようにして近寄ってきた静夜。



「手伝うよ!」



そう言い配膳を手伝ってくれている。



「ありがとう」



「ううん!」



配膳を終え、6代目達が昼食を取り始める。



私はと言うと、食欲が出なかった為立ち上がる。



「また…始めたくなったら、呼んでくれ」



そう言い返事を聞かずに部屋を後にした。



自室へと移動してすぐ、インターホンが鳴った。



自室内にあるモニターを見ると、よく分からないが同い年くらいの女子が1人居る。



「はい」



『入れなさい』



………何で。

「用件は」



『入れなさい。私は朱里の姉よ』



姉なんて居たのか朱里。

いや、でも全然似てないぞ。



『入れなさいって言ってるのが聞こえないの!?』



えー、怒鳴られても。



『義理なのよ!義理の姉!』



あー、だが信じるにはなぁ。



本人に言おうか悩んだのだが、

どうにも怒らせたらしく門を蹴ってるのでとりあえず迎えに行く。