先代の私 でも、、、

「そんなに慌てなくても良いだろう。まだ朝だぞ?」



「朝でも何でも、とにかくやりたいの!」



………。

キラキラとした目で言われて何も言い返せなくなった。



そのすぐ後綾人達も到着し、脳内で適当にメニューを組み始める。



腕立て、腹筋、逆立ち……、その他もろもろ3セットやらと決めて、

あとはランニングやらの走り込み、組み手だろうか。



一応まとめたので綾人達に指示し、私は適当に見張ることにした。



そういえば、綾人達が鍛えたりしてる間、朱里は暇だろうな。



そんな事を考え朱里を見ると、驚いた。

とても楽しそうにしていた。



そして、その視線は綾人に向いていて……。



………先代だからと憧れられて、尊敬されて当たり前なんて考えは、間違っていたなと思う。



確かに自分より強い者には尊敬の視線を向けることもあるだろうが、

近い歳の者に、綾人達にそれを押し付けるのは間違っていたのかも知れない。



「………」



「「っ!」」



そんな事を考えながら、私は綾人達を見ないようにしたり、

注意したり出来る所は無いかと視線を向けたりと、挙動不審の様な行動をしていた。





道場内で出来るトレーニングが終了し、そろそろ休憩をしようと考えた。



「じゃあ、そろそろ昼食にでもするか」



「やったー!」



静夜がそう言ったので、早足で厨房へと向かう。