だがまぁ、桃香達にも当分会ってないしな。



機会としては良いんだが、んー。



「彩華」



ん?

っ!?

ーーっ!



近っ。

えっ、いつの間に?



吐息が掛かるくらいの距離に居た綾人。



「ダメ…ですか?」



うっ。

何か…ダメージを感じるっ。



眉を下げる綾人の破壊力がスゴい。

静夜…に劣ってないぞこれ。



普通に正座を崩した体勢で居たのが、今は後ろの障子横の壁に背を着けるくらい下がってしまった。



狙ってる。

絶対狙ってやってるぞ。



そう頭では考えても、吐息が掛かる距離に来た綾人に勝てる訳もなく……。



「分かっ…た。もう好きにしろ」



「ありがとうございますっ」

ーチュッ



ーーっ!?

なっ!



微笑んでると思えば、いきなり口にキスされた。



顔に熱くなる。



ーっ!



あー、私の阿呆め。

意識しすぎだこの阿呆。



そんな事を頭では考えつつ、元の場所に戻り離れていった綾人と、

私を驚きを隠せていない眼差しを見つめる6代目達。



静夜はと言うと、綾人を見てたが。



震えてる声で綾人に嵐が言った。



「えっ、綾人今っ」



「ん?」



「……」



綾人が答えないからか、私の方を見る一同。



いつの間にか作り笑いを止め、普通な表情の光が言った。



「えっ、綾人、朝の話ホントだった…の?」



「えぇ。ね?彩華」



彩華を強調するように言ってきた綾人。

当然私に集まる視線。