先代の私 でも、、、

「っ!?」



殺気は出していない。

だが、6代目達を前にすると自然に作っていた優しい雰囲気を出すのを止める。



無表情で、声音もいつも通りにして。



だがそれでも、姫の朱里には覇気が伝わったようだ。



ま、そんな事どうでも良いが……。



「私の事はどうとでも言え。だがな、家の事や容姿についてはもう2度と言うな」



「だっ、だって…」



「普通じゃないから?朱里が普通だと思ってる事が本当に普通なのか?

優しい両親が居て、日本人らしい容姿をして、裏世界とも関わりを持っていない」



「そっ、そう…だよっ」



「それは普通じゃない。両親が居ても優しくない、虐待する親も居るだろう。子を捨てる親も居るだろう。育児放棄する親も居るだろう。他界した親も居るだろう。朱里が普通だと思ってる事が、普通でない家庭なんて幾つもあるだろう」



「っ!」



ハッとした様子の朱里。



だが私は言いたい事をまだ言っていない。



「私は確かに裏世界の家系の人間だ。両親も他界した。容姿も日本人らしくなど無い。これらを私だけに向けるのなら怒りはしないさ。史実だからな。…だがな」



「っ!?」



「静夜や私の兄に対してもなら、私はお前が後輩の姫だとしても、一般人だとしても、女だとしても、弱いとしても、何が何でも手を出させてもらうからな」



「っ!………でもっ!」