先代の私 でも、、、

「ずっと……一緒に居たのっ」



……。



「彩華さんよりもっ、ずっと綾人君の事知ってるの!」



……。



「ずっと好きなの!ずっと親しいの!ずっと仲良いの!私は桜花の姫なの!姫は総長の女なの!」



息継ぎもせずに言ったのに、こちらを見据える……いや睨む瞳は変わらない。

息切れもしていない。



「私みたいな普通の女の子の方が良いの!」



っ!



私が反応したからか、勝ち誇った様に朱里は言った。



「優しいお父さんもお母さんも居て、家も普通で、容姿も日本人らしい。

彩華さんとは何もかもが違う普通の女の子が綾人君には必要なの!」



………今、少し私の怒りに触れ掛けた。



それでもまだ朱里は続ける。



「裏世界と関わってる、守られない女の子よりも、普通な守られる女の子の私の方が良いの!

彩華さんだって分かるでしょ!」



……。



「裏世界なんてっ、こんな家なんて危険なだけだよ!暴走族なんて釣り合わない!

もっと黒い裏世界に居る彩華さんと綾人君なんて!」



ハァッ、ハァッと息切れし出した朱里。



それもそうだろう。

ずっと続けて言ってたのだから。



「言いたい事はそれだけか?朱里」



「っウウン」



だがそう言いつつも、何も言ってこない。



なので言わせてもらおう。



「優しい両親が居ないから。容姿が日本人らしくないから。普通じゃないから。

裏世界と関わってるから。暴走族と釣り合わないから。………散々言ってくれたなぁ」