そんな事を思ってると、誰かの足音が聞こえてきた。



襖を開けたままなので、ヒョイと顔を覗かせたのは寝間着姿の朱里。



「っ!」



どうやらこの光景に驚いてるようだ。



「あっ、あ、の私」



あわわあわわと顔を赤面させ、目を反らしたりこちらを見たりとする朱里。



それを聞いてか静夜はゆっくりと私から離れ、身体を起こして立ち上がって言った。



「そろそろ行くね」



「あぁ、おやすみ」



「うん、おやすみ」



天使の笑顔を私に向け、そのまま朱里と部屋を出て襖を閉めた静夜。



焦るでもなく、言い訳をするでもなく、

てっきり朱里と同じように慌てると思っていた私は少し驚いたが、

とても落ち着いた様子なので見守ることにした。



羽織を脱ぎ、近くに畳んで置いてから横になる。



そのままゆっくりと目を閉じた。