「だから事務的なものは全部して貰って、他はプライベートの時間にさせようとしてる。見る限り女性の存在が見えないし、同窓会なんかも全部不参加だったりしてるから」



「でも僕」

「静夜には学校がある。午前午後は学校、夕と夜は家業なんて楽しいことが今の半分以下になるぞ?学生時代は青春真っ只中で良いの」



「………」



うぅ、そんなシュンとしないでくれ。



そう思ってると、静夜が縁側に腰掛け自分の靴を脱いでから私の靴を脱がす。



「靴、血だらけっ」



あーホントだー。



静夜は私をまた抱き上げ、私を自室に運んで下ろしてくれた。



救急セットは私の部屋、静夜の部屋、静司兄の部屋、茶の間の計4ヶ所にあり、

静夜が救急セットを持ってきて手当てを開始した。



数分もすれば手当ては終わり、まだ痛みはあるものの大分楽になった気がする。



救急セットを元の場所に戻す静夜の後ろ姿に向きって言う。



「ありがとう。楽になった」



静夜は救急セットを元の場所に戻すと、

私の太ももを枕にするようにして横になり、腰辺りに腕を回してお腹に顔を埋めた。



「お姉ちゃん、僕の前から、絶対に居なくならないでね………」



「当たり前だ」



泣いてるのか泣いてないのか。

事実は分からないが、私には泣いてるように見えたので頭を撫でる。



静夜の頭をしばらく撫でてると、突然静夜が話し出した。