先代の私 でも、、、

「ゆっ、許さないんだからっ」



よく分からないが、撃たれたのも出血してるのも事実だ。



さっさと帰って手当てしたいからな。



素早くバイクを降り、女に近付き銃を取り上げ拘束する。



「痛っ、離して！離しなさい！」



いや、こっちの方が何倍も痛いぞ。

それに身動き取れないようにする力量しか出してないぞ。



そう思いながら、声音をうんと低くして風魔家の時の声音にする。

私の出せる１番低く、威圧のある声に。



「何故お前みたいな女が居る。いや、いつから居た」



「ﾋｯ」



女は私に怖じ気着いたらしく、力が抜けてその場に崩れ落ちた。



………だが変なんだ。

私の視界には１度たりともこの女は入ってこなかった。



全体を適度に見回したはずなのに。



「答えろ」



だが、女は泣き出して一向に泣き止まない為放置することにした。



このままだと血がな……。



銃は今度警察に持ってくとして、急いでバイクに乗って家に帰る。



道路を違反しない程度のスピードで走り抜け、

家の車庫にバイクを止める。



「あっ」



足にかすった……正確には左脛にかすった銃弾の傷はここまで結構な血を出させたらしく、

私の靴も、その靴が着いた地面も血痕が着いていた。



まぁ良いか。



ハンカチティッシュの二点を持ち歩かない私が悪かった。