とりあえず女の方に入り、羽織や着物を脱ぎ全裸になってお風呂場に入る。



入ってすぐある大浴場に、その奥にある露天風呂。



露天風呂の端にあるサウナと蒸し風呂、水風呂、壺風呂。



他にも色々とあるお風呂だが、大浴場で髪や身体を洗う。



鏡に映るのは、お尻辺りまである濡れた銀髪に左右で緋と金の瞳。

それに掛かる長い睫毛に、体つきは華奢で色白な肌。



遺伝による影響はすさまじく、私でも静夜や静司兄と兄弟だとすぐ分かる容姿になれた。



静夜は私と同じ銀髪で、サラサラで天使の輪があるのだ。

瞳は黒で、睫毛も長く体つきも華奢めで肌はすべすべで柔らかく色白だ。



静司兄はグレーのセミロングのサラサラな髪に、黒の瞳。

体つきは華奢とは言いがたいが、細く無駄のない筋肉がついている。

肌はやはり色白で、年齢のせいか何なのかフェロモンのようなものを漂わせている。



とにかく、全員容姿端麗で文武両道だ。



自分を見ながら可愛い可愛い静夜や、頼りになる静司兄を思い出しながら洗い終え、湯に浸かる。



喋らなければシンとした空間だ。



………静夜はもう帰って来ただろうか。



やはり、いつも通り10時頃という遅い帰宅なのだろうか。



私に向けてくれる笑顔は、本当の笑顔なのだろうか。



無理は、させてないだろうか。無理をしてないだろうか。



私は、やはり先代だからと関わらせてもらえないのだろうか。



そんな不安を感じつつ、目を閉じて深呼吸をする。



ゆったりとシンとしたその空間を満喫し、汗も出てきたのでそろそろ上がる。