渋々といった様子で私の上から退いて、そのまますぐ横で寝転んだ静夜。



「朱里達は良いのか?」



「んー、えー、あー………あっ!」



やっと目を開けたと思えば叫んで飛び起きた静夜。



「寝心地良くてつい寝ちゃったよ。……でも、結局どうしよ」



「慣れない様なら今日は止めとくのもありだと思うぞ?」



「んー、でも皆楽しみにしてたんだよね。

先代のしかも魅桜の家って事もあるし、僕の家でもあるから近付けた気がしてって」



先代の家で、静夜の家。



私の先代といえば静司兄と、その前の人達だが………特別緊張するといった事は無かったな。



だが友人の家となれば緊張もするかもしれない。



5代目が初めてここに泊まりに来たのは本当に小さな時だったが、

それでも緊張してたからな。



私は、よく分からないが。



目の前では、静夜は携帯で連絡を取ってるらしく何か喋ってるが、

盗み聞きもするものではないし、聞き流しておこう。



身体を起こし立ち上がる。



そのまま縁側に移動しようと自室を出ようとすると、こちらに向かってくる足音。



6代目だろう。



そのまま気にせず外に出ると、驚いた様子の6代目達。



しかも5人勢揃い。



「彩華さ」

「綾人ー!」



私の名を呼ぼうとした綾人を遮り、静夜が出てきた。



それと同時に、朱里が前に出てきて言った。



「静夜君、どこ行ってたの?」



「え?お姉ちゃんの部屋だよ!ほらここ」



「そっか、彩華さんの。もー、心配したんだよ?」



「大丈夫大丈夫!」