桜の咲く季節がもうすぐ終わってしまう。



1人になると、ある事を考えないが為に色々考えてしまうからいけない。



今の時間は夜の8時過ぎ。



静夜の帰宅は多分、10時頃だろうか。



最近色々と族関係で問題が起きてるらしいが、関わらせまいとしてるようで私も聞くに聞けないんだなー。



静夜が副総長として所属する桜花という世界No.1の族は、静司兄も私も総長として所属した族だ。



静司兄が4代目、私が5代目、静夜が6代目と、3代連続で同じ血筋の者が所属している。



ちなみに世界No.1にしたのは静司兄で、私と静夜はそれを継承しただけだ。



あっ………。



「………はぁ」



あぁもう、考えないようにしてたのに……。



………ホント、バカな感情を抱いちゃったんだよなー。



私のイメージでは、先代は憧れの存在だ。



だからこそ、この感情は抱いてはダメなんだ。



その先代の私が抱いてしまっては………。



そう私自身に言い聞かせ、立ち上がってお風呂に向かう。



明かりもついていない長い廊下を進み続け、女と男に分かれた脱衣場にやっとついた。