「華織ちゃん。」
後ろを振り向くと、柿木園くんがいた。
「柿木園くん……。」
「覚えててくれたんだね〜!
嬉しいなぁ〜!!」
体育祭前に話してから1度も会わなかった。
「ミスコン出るだね。」
「あ、はい……。
私からエントリーしたわけじゃないんですけどね……。」
「あのさ。そろそろ終わった?
『叶わない恋』ってやつ。」
「えっ…?」
「もういいんじゃない?
てか、ミスターコンでグランプリになった人と、ミスコンでグランプリになった人は、
必ずデートに行かなきゃいけない約束だよ?
俺、ミスターコンエントリーしてるし。」
「まだ終わらないし、終わらせる気もないので。
柿木園くんはもう少し気持ちというものを考えたほうがいいと思いますよ?」
「華織ちゃんも次期にわかると思うよ。
俺の良さがね。」
と言いながら、柿木園くんはどこかへ行った。

