そして、学校内はあっという間に文化祭モード。
「橘さん。」
「矢倉くん。どうしたの??」
「当日のこと話したくて。
実行委員とクラスの出し物があるから、30分しか一緒に回れないんだけどいいかな?」
「うん。大丈夫だよ。」
「自分から誘っておいてごめん……。」
「気にしないで!!
お仕事頑張ってね!!」
「ありがとう。」
矢倉くんはクラスの指示に戻った。
「あの……。橘さん。」
「烏水さん。どうかした??」
「ちょっとお話いいかな…?」
準備でざわついている教室を出て、静かな中庭にやってきた。
「話って……?」
「矢倉くんのこと、狙ってるなら諦めてもらえないかな…!!!」
「え…!?」
急に言われ、焦りと動揺を私は隠せなかった。
「私、入学したときから矢倉くんのことが好きで……。」
「ちょ、ちょっと待って!
私、狙ってなんかないよ!!!」
「え……?
でも、一緒に文化祭回るんじゃ……。」
「それは、矢倉くんから誘われたから……。
断る理由もないし……。
でも、烏水さんが嫌なら断ろうか…?」
「そ、そ、そーだったの!?
てっきり橘さんから誘ってるのかと……。」
「矢倉くんのこと本当に好きなんだね。
実行委員2人で頑張ってね!!」
「私の勘違いで…ごめんね……。」
「全然!!!
さ、教室に戻ろう!」

