「そろそろ花火はじまるね。」

「そーだね。どこでみよっか?」

花火が見える土手にきた。

さすが、この町の一番大きい夏祭り。

土手にはたくさんの人が集まっていた。

「たくさんひとがいるね。」

「俺、穴場しってる。」

そう言うと空は私の手をとり歩き始めた。

「こっち。」

空は私の手を握りながら人混みをかき分けていく。



空が連れていってくれたのは人のいない病院前のウッドデッキ。

「ここ。穴場。」

ーヒュードカンっー

花火の音がしてピカッと黒い空に花火が上がった。


「はじまったね。」

「始まったな。」


ードカンっー

2発目が上がった。

赤とオレンジと黄色の丸くて綺麗な花火が上がった。


「空くん?」

「え…」

「ほら!やっぱり空くんじゃない!」


後ろを向くとそこには女の人がいた。

「りかさん…」

りかという名前の女の人。

この人はだれ…?

「空くん!最近調子はどう?」

「あ、まあ…いい感じ…っす」

「よかった~。あら。隣にいるの彼女さん?」

「あ、そうです。」

「松野ひなたです!」

私は慌ててりかさんという女の人に名前を名乗った。