彼が黙っている どのくらいだったかなんて 今のあたしは 覚えてなんていない 長くても 数分だったと思う でも その時のあたしには 何時間の事のように思えた だんだんと 視界が霞んでいって 夜のライトに 照らされたあたしの目が キラキラと反射する だけど 弱いトコは見せたくないから 雫だけは 落とすまいと 必死に瞬きを我慢する その我慢も 限界に近づいていき あたしのしたまつげに 雫が乗っかったとき。 あたしの耳に入る あたしの大スキな 低い声。