はちみつ・lover

「そっ・・・そんな、何もかも燃え尽きて

る・・・」

私は思わずへなへなとその場に座り込んだ。

アパートの前には立ち入り禁止のテープが張

ってあり立ち入る事が出来ない。消防車は

既にいないが、代わりに鑑識の人や刑事が

テープの中にいた。

「あなた、もしかしてここの住人の方です

か?」

一人の強面刑事が私に話し掛けて来る。首

を縦に振るとその刑事は申し訳なさそうに

頭を下げた。

「大変申し訳ないんですが、この有り様で

す。中がどうなっているかも全く分からない

状況で・・・」

「気にしないでください。私は大丈夫です

から」

そんな事を言いつつも本当は困っていた。

通帳が部屋の中にあったのに、それも燃え

てなくなってしまったのだ。私の大好きな服

もアクセサリーも全て燃え尽きてしまった。

私は明日からどうやって生きていけばいい

のだろう。


「はぁ・・・私の生活、これからどうなっ

ちゃうの?」