はちみつ・lover

「葵さん。大丈夫ですよ。俺がついてま

す」

そんな彼の心強い言葉に、押し殺していた

涙が一気に溢れた。

「泣かないでください。何があっても、俺が

葵さんを守りますから」

彼は指でそっと涙を拭ってくれる。そんな

状況を見ていた美香がニヤニヤしながら寄

ってきた。

「俺が葵さんを守ります、だって。良かった

じゃん葵」

「か、からかわないでよ」

彼が私を守るって言ったのは、私が困ってる

からであって・・・恋愛感情があるとかじ

ゃないから。絶対に。

「早く行きましょう、葵さん」

彼は私にそっと手を差し伸べる。戸惑いつ

つも手を握ると彼につられて走り出した。



~30分後~

「葵さん、家この辺りですか?」

「うん・・・もうそろそろなはず・・・あ

っ、あった!」

彼がタクシーを捕まえてくれたので、私達は

それに乗って自宅近くの薬局で降ろしてもら

った。そこから200メートルくらい走った所

に消火活動が終わったのか燃え尽きた自宅

アパートがあった。