もう、後戻りは出来そうもない。彼と結婚

するのには、それだけの覚悟がいるという

事なんだ・・・


「俺、本気で葵さんの事愛してます。誰が何

と言ったって、この気持ちを否定する事なん

て出来ません・・・本気で、愛してしまった

んです。だから・・・ダメですか?」


彼は珍しく不安そうな顔をしている。そん

な彼を見て、心から愛おしいと実感した。

本気で大切にしたいと思う。きっと断れば悲

しませてしまうから、私は挙式を前向きに

考えようと決めた。

「分かった。結婚式しよう。だからそんな

顔しないで」

そう言って優しく彼の手を握る。ようやく

彼にいつもの笑顔が戻ってきた。

「ほんとに・・・いいんですか?」

「うん。だって私達、夫婦でしょ?何があ

っても、二人で乗り越えようよ。有言実行だ

から、決めた以上はやるしかないよ」

彼が照れ臭そうに微笑む。やっと、私にも

幸せな気持ちが戻ってきたような気がし

た。