アツシさんの背中から視線を戻すとなぜか真顔の進藤さんと目が合う。

ん?
何か変?

「進藤さん、どうかしました?」
「・・・やっぱりさ、果菜とアツシって仲がいいよな」

ん?

「そうですか?でも、私と進藤さん程じゃないと思いますけど」
そう言うと、進藤さんはきょとんとした顔をしてすぐに笑い出した。

「はっ、果菜はやっぱり最高だよ。俺の負け」
私の頬をきゅっと優しく握った。

うふふと笑うと進藤さんも笑ってくれる。
何度見ても進藤さんの笑顔って素敵。クールなイケメンのイメージがあって、音楽番組やミュージックビデオじゃ見たことないし。

進藤さんに見とれているとアツシさんが戻ってきた。
「お待たせしました。果菜さんには俺のおすすめ。ベリーニ。スパークリングワインにピーチが入っているから。どうぞ、味わってみて」

「アツシさん、ありがとう」

軽くグラスを持ち上げて乾杯をする。
シャンパングラスに入ったそれはとてもすっきりした甘みのカクテルだった。

「爽やかなのに甘くて美味しい。桃の香りもいいし、これ私の好みにぴったりです。さすがアツシさん」

「うん、この時期はネクターを使ってるけど、桃のシーズンには生の桃で作ることもできるからまた作ってあげるよ」

「ホントの桃ですか。味は全然違いますよね。そっちも飲んでみたいです。私、桃が大好きなんで」