「決裂って何ですか」私がムッとする。
とそこで、木下先生のスマホが鳴った。

「ああ、さっきの血液の検査結果が出たみたいだ。・・・炎症反応は出てるけど、これならまあ今夜もここで点滴をしてぐっすり休んでもらって、病院は明日受診でもいいかなあ」

えええ?

ほら、とスマホの画面を見せてもらった。
先ほど点滴の前に採った血液検査の結果が画面に出ていた。検査会社に依頼して緊急検査を頼んでいたのだ。
採った血液の検体をホテルにまで受け取りに来てくれて結果を先生のスマホに送ってもらっていた。

「あ、ホントだ」

検査結果は予想よりもかなりよくて、どうやら点滴が効いているらしかった。
これじゃあ私も黙るしかない。

「じゃあ、今夜も腕のいい美人ナースの果菜サン、付き添い看護よろしく。俺は寝る」

それだけ言うと、進藤さんは目を閉じた。

「あの先生、・・・今夜のナースは他の人に交代ってわけにはいきませんか?」

私の言葉に目を閉じていたはずの進藤さんがむくりと起き上がり私をにらんだ。

「果菜は俺の世話が嫌なのか」