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私は月に１度か２度１人で飲みに出かける。

クリニックの木下先生に教えてもらった商業ビルの35階にあるバー「Moderato（モデラート）」

そこは35階にあり夜景も素晴らしい。
窓際の一人掛けの席が私のお気に入り。

「カウンターと一人掛け、二人掛けのテーブル席がメインだから静かにお酒と夜景を楽しむことができるとっておきのバーなんだ」と私の上司である木下先生のお墨付きのお店。

何もこんな忙しくて疲労困憊の時に無理して行く必要はないのかもしれないけれど、どうしても今日ここに来たかったのだから仕方ない。

それは昨日の長年の友達、美和からの電話のせいだ。

『私、結婚が決まったの。指輪ももらった。結婚式には来てね。スピーチもよろしく』

嘘だ、誰か嘘だと言って。

だって、二か月ほど前に会った時には彼氏ができたなんて言ってなかった。
子供を授かったわけではないっていうし、じゃあ、この二か月で何があったら指輪がもらえる状況になるんだ。


「果菜もいつまでも失恋を引きずってないで新しい恋した方がいいよ」

私にそんな出会いがあったら苦労はしないんだよ。