「泥棒が入ったってこと?」

「いや、泥棒というよりは不法侵入だろう」

フホウシンニュウ

「だ、誰かがここに勝手に入ってこのピアスを落としていったってこと?」

「落としたんじゃなくて置いていった可能性の方が大きいだろうな。おそらくわざとだ。俺がお前の留守に女を連れ込んだってことにしたい誰かが」

事の大きさに気が付いてぶるっと体が震える。
誰かが勝手にこの部屋に入った。
私が頻繁に出入りするようになってからはお掃除も私がするようになって家事代行業者も頼んでいない。

クローゼットも荒らされた様子はない。
私が気が付いていないだけ?泥棒じゃないなら目的は何?

「前にお前の口紅が折れていたとか部屋着にしていたTシャツが無くなったと言ってたことがあったな。
あれもこの侵入者の仕業としたら・・・あの時点で何か対策をするべきだった」

進藤さんは更に眉間の皺を深くする。

「まさか、何度も侵入していたってこと?」