「ごめんね、待たせちゃって」
伊勢くんは、不機嫌な顔で黙っていた。
「・・・どうかした?」
「おまえ、霧島課長とつきあってんの?」
な、急に何を言い出すんだ。
「ま、まさか、そんなわけないじゃん」
「でも、明日わざわざ車で迎えに来るんだろ?
悪い、聞こえちまって」
「あー、うん、ちょっと用事があって」
「休みなのに用事?」
「うん、まあ」
「ふーん」
なにそれ、なんで不機嫌を絵に描いたような顔するわけ?
「タオル、ありがとな」
「うん、今日は楽しかった。
誘ってくれてありがとう。
あっ、玄関の傘、持っていって」
「サンキュ」
玄関に歩いていく途中で、伊勢くんは立ち止まった。
そして、私に背中を向けたまま、
「俺が『明日、行くな』って言ったら、どうする?」
とても小さな声でささやいた。
「えっ、なんでそんなこと言うの?」
私の問いかけには答えず、
「悪い、今の忘れて。
じゃ、また会社でな」
伊勢くんはあわてて靴をはき、ドアを開けて飛び出すように出ていった。
伊勢くんは、不機嫌な顔で黙っていた。
「・・・どうかした?」
「おまえ、霧島課長とつきあってんの?」
な、急に何を言い出すんだ。
「ま、まさか、そんなわけないじゃん」
「でも、明日わざわざ車で迎えに来るんだろ?
悪い、聞こえちまって」
「あー、うん、ちょっと用事があって」
「休みなのに用事?」
「うん、まあ」
「ふーん」
なにそれ、なんで不機嫌を絵に描いたような顔するわけ?
「タオル、ありがとな」
「うん、今日は楽しかった。
誘ってくれてありがとう。
あっ、玄関の傘、持っていって」
「サンキュ」
玄関に歩いていく途中で、伊勢くんは立ち止まった。
そして、私に背中を向けたまま、
「俺が『明日、行くな』って言ったら、どうする?」
とても小さな声でささやいた。
「えっ、なんでそんなこと言うの?」
私の問いかけには答えず、
「悪い、今の忘れて。
じゃ、また会社でな」
伊勢くんはあわてて靴をはき、ドアを開けて飛び出すように出ていった。