久しぶりに見る伊勢くんのスーツ姿は、かっこよかった。
羽織ってるネイビーのピーコートも、ストライプのマフラーも、見慣れてるはずなのにまぶしかった。
「紗和、行こっか」
「うん」
カギを閉めて、手をつないで駅へ向かった。
これでいいんじゃないかな。
結婚は、タイミングだっていうし。
札幌には一人も知り合いいないけど、なんとかなる気がしてきた。
「ふーん、それで仲良くご出勤ってわけ」
「奈緒、見てたの?」
「言っとくけど、たまたまだからね。
ま、年末年始どうしてたかなーって、気にはなってたけど」
奈緒と昼休みが重なり、ランチの時に私から打ち明けた。
伊勢くんのプロポーズを、受けようと思うって。
「紗和が決めたことだから、私は応援してるけど。
伊勢くん、転職するって噂になってるよ」
「そうなの?」
「伊勢くん優秀だったから、上層部で八つ当たりしてる人がペラペラしゃべってるみたいで」
「伊勢くん、どうなるの?」
「うーん、でもどっちにしろ3月になったら有休消化するだろうし、あと2ヵ月だから引き継ぎとか始まるかもね」
「教えてくれて、ありがと」
羽織ってるネイビーのピーコートも、ストライプのマフラーも、見慣れてるはずなのにまぶしかった。
「紗和、行こっか」
「うん」
カギを閉めて、手をつないで駅へ向かった。
これでいいんじゃないかな。
結婚は、タイミングだっていうし。
札幌には一人も知り合いいないけど、なんとかなる気がしてきた。
「ふーん、それで仲良くご出勤ってわけ」
「奈緒、見てたの?」
「言っとくけど、たまたまだからね。
ま、年末年始どうしてたかなーって、気にはなってたけど」
奈緒と昼休みが重なり、ランチの時に私から打ち明けた。
伊勢くんのプロポーズを、受けようと思うって。
「紗和が決めたことだから、私は応援してるけど。
伊勢くん、転職するって噂になってるよ」
「そうなの?」
「伊勢くん優秀だったから、上層部で八つ当たりしてる人がペラペラしゃべってるみたいで」
「伊勢くん、どうなるの?」
「うーん、でもどっちにしろ3月になったら有休消化するだろうし、あと2ヵ月だから引き継ぎとか始まるかもね」
「教えてくれて、ありがと」


