「あ、あの、私、ちゃんと考えてますから!」
課長の、少しさみしそうな声を聞いたら、思わず口走ってしまった。
『俺にも勝算ありってことか?』
「いえ、まだ、それはちょっと・・・」
『わかったよ、待ってるから。
じゃあ、またな』
「はい、失礼します」
なんであんなこと、言っちゃったんだろ。
まるで、課長のことが好き、って言ったみたいに思えて、急に恥ずかしくなった。
自分の席に戻ってからも、しばらくボーッとしてたらしく、
「すみません、降ります」
と、隣の人が大宮駅手前で立つまで、全然まわりが見えてなかった。
もうすぐ、伊勢くんと会える。
楽しみなようで、ちょっと不安な気持ちもある。
それはたぶん、課長に惹かれはじめている自分を意識してしまったから。
だけど、課長との未来図が描けるのかと聞かれれば、よくわからない。
課長がモテるのは、確かだし。
そもそも、課長にはプロポーズされてないし。
・・・されるわけないか。
伊勢くんに何か不満があるわけじゃない。
札幌へ行くのは不安だけど、海外じゃないんだし、じきに慣れる。
それでも、無条件に伊勢くんを選ぶことができない。
これから、その答えを探そうと思いつつ、東京駅のホームにおりた。
課長の、少しさみしそうな声を聞いたら、思わず口走ってしまった。
『俺にも勝算ありってことか?』
「いえ、まだ、それはちょっと・・・」
『わかったよ、待ってるから。
じゃあ、またな』
「はい、失礼します」
なんであんなこと、言っちゃったんだろ。
まるで、課長のことが好き、って言ったみたいに思えて、急に恥ずかしくなった。
自分の席に戻ってからも、しばらくボーッとしてたらしく、
「すみません、降ります」
と、隣の人が大宮駅手前で立つまで、全然まわりが見えてなかった。
もうすぐ、伊勢くんと会える。
楽しみなようで、ちょっと不安な気持ちもある。
それはたぶん、課長に惹かれはじめている自分を意識してしまったから。
だけど、課長との未来図が描けるのかと聞かれれば、よくわからない。
課長がモテるのは、確かだし。
そもそも、課長にはプロポーズされてないし。
・・・されるわけないか。
伊勢くんに何か不満があるわけじゃない。
札幌へ行くのは不安だけど、海外じゃないんだし、じきに慣れる。
それでも、無条件に伊勢くんを選ぶことができない。
これから、その答えを探そうと思いつつ、東京駅のホームにおりた。


