婚姻届と不埒な同棲

何杯飲んだのかなんて、あまり覚えていない。

相当飲んだんだろうな。
真っ直ぐ歩いてるつもりなのに、なぜか身体が壁に沿ってしまうから。

まだ賑やかな声の止まない会場を背に廊下を歩く。

拓斗くんは今頃どうしてるんだろう。
あの子の誕生日を祝ってるのかな。

場所は、たしか最上階って言ってたっけ。

エレベーターの前には、なんだか怖そうな男性が姿勢よく立っている。

じっと見ていると、私に気がついてこちらに来た。