「どうして私、日本に呼び戻されたんですか?
何日かたったら、またドイツへ戻れるんですよね?」

こんな部屋を見せられたらさすがに焦る。
混乱を抑えきれずに2人に答えを迫った。

大丈夫、だよね?

そう願いを込めて。

だが、キョトンとした表情で旦那様と早苗さんが顔を見合わせている。

嫌な予感は、こういう時ばかり当たるもの。

「これから、またここで暮らすのよ?」

「そうだ。
どうしても嫌だと言うなら仕方がないが…。

そのへんは、君を呼び戻した張本人と交渉してくれ」

張本人?

「私を呼び戻したのは、旦那様ではないのですか?」

違うとすると…。

他にそんな権限を持った人間なんて…。

1人しかいない。