婚姻届と不埒な同棲

げ…。

中からは人は見えなかったが、降りてみると廊下では数人がこちらを見ていた。

その視線は、驚きのものからある種の確信めいたものに変わっていく。

「え、あの噂本当なの?」
「じゃないと、あんな口のきき方できないよ」

ザワザワと、ひそめた声があちこちからあがる。

しまった。
私が噂を大きくしてどうする。

拓斗くんを見ると、笑いをこらえている。

もう消えてしまいたい。
馬鹿は私だ!

恥ずかしくなって、急いで会議室へ逃げ込んだ。