婚姻届と不埒な同棲

「ではまず、このテストを解いてみてください」

家庭教師1日目。
まずは拓斗くんの実力の把握をすることにした。

「このテストで、大体の実力は図れると思います。

では、どうぞ」

「はいはい。
解けばいいんだろ」

渋々解き始めた。
でも、その手の動きはすぐに落ちていった。

「あー、もう無理」

「まだ15分残ってますが」

「いいよ別に。
はい、採点して。
その間、外行ってくるから」

解答用紙を雑に手渡される。

高校3年生。受験生。
今までに勉強している姿を見たことはない。

もう少し緊張感を持って解いてもいいのに。